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国立科学博物館・日本館編

02 16 *2011 | ■ミュージアム::日本

先週、レポートの為に上野の国立科学博物館に行ってきました。
実は保育園の卒業遠足で行ったっきりなので、
なんとおよそ20年ぶり。
その時の記憶はクマの剥製があったな~とか
ミイラがあったような…???的なおぼろげなものしかないので
その頃とはだいぶ展示内容も変わってるだろうし、
楽しみにしていました。

無駄に写真をたくさん撮ってきてしまったので
日本館と地球館に分けて書きます。
(画像をたくさん入れてレポートの内容の薄さを
ごまかそうという魂胆である)


まず、一番驚いたのが展示デザインの凝りっぷりでした。
博物館て、資料がひたすらだーーーーっと並べてあって
それにキャプションや説明がついてる、というイメージだったんですが
それはもう古い!!!!!!!

まず、一番最初に目に入ったのが日本国内でも地域によって
同じ動物や植物の大きさや形に違いがある、という展示です。

ファイル 8-1.jpg
ツバキの比較。

ファイル 8-2.jpg
コガネムシの比較。

すごくないですか?!このセンスの良さ!!!!
比較展示だと、普通はひとつの個体同士を比べるところを
あえて同じものをたくさん並べることで
リズムを生み出し、美しい展示になっています。
もしこれが一個だけぽん、と置いてあったら、
すごく単調でつまらない展示になっていたと思います。

ファイル 8-3.jpg
こちらは日本各地でとれる石材の展示。
日本地図がそのまま各地方でとれる石材でできていて、
どの地方でどのような石がとれるかの分布と、
それぞれの石の特徴の違いが一目でわかる画期的な展示です。

ファイル 8-4.jpg
金魚の品種改良の系統展示。
写真では見づらいですが、背景には江戸時代の浮世絵で
金魚を愛でる市民の絵が映されています。
これによって、単なる金魚の展示だけでなく、
金魚がどのように我々日本人に親しまれてきたか、
歴史の中でどのような意味を持っていたかを同時に感じることができます。


また他にも、日本に住んでいる動物の剥製がたくさん展示してあったのですが、
陸上の動物のディスプレイの下に、
土と地中が展示されていて、
私たちの目に見えている地上の世界と、
普段意識しない地中の世界、土壌や虫、菌類などとが
繋がり合って自然界が形成されていることがとてもよくわかる
展示となっています。

このように、単なる資料の展示だけでなく、
私たち人間を含めたそれを取り巻く環境や、
私たちの生活の中でどのようにかかわっているのかなど
多面的に感じることができる工夫がなされてました。

個人的にオオサンショウウオの剥製がでかくてびびった…w

ファイル 8-5.jpg

ハチ公(手前の白っぽい秋田犬)、
南極物語で知られるジロ(右奥の樺太犬)、
甲斐犬(左奥)の剥製。

正直私はジロやハチ公なんかは、
彼らの切ない物語を知った後だと
もう死んだあとはゆっくり土に還してあげてくれー!
なんて思ってしまうのですが
それも人間の勝手なエゴですよね。
他の無名の動物たちの剥製とどう違うのか、
といわれたら本質的な違いは多分なくて、
単なる人間の感傷による思いこみだし。


ちなみに女性のミイラはちゃんと展示してありましたが
(私が幼いころに見たものと同じものなのかは不明…)
写真撮影はNGでした。
展示品とはいえ、我々と同じ、一人の人間の遺体として
敬意を払うため、との説明がありました。

ミイラは博物館の中ではとても人気のある展示です。
(この科博でも、よく質問される人気のある展示品ベスト30という
パンフレットを発行していますが、その中にももちろん
このミイラが入ってます)

しかし一方で、人間の遺体を見世物にすることについては
様々な問題をはらんでいます。
それをふまえたうえで、数百年前の女性の遺体が
奇跡的に残っていること、その資料が今の私たちに何を伝えているのかを
考えてほしい、それが博物館からのメッセージでした。


(地球館編へつづく)

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