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住民登録とビザ申請。

04 11 *2011 | ■オスナブリュック留学::手続きなど

どうも、忙しくてなかなかブログを書く余裕がないと
すぐスパムコメで埋め尽くされてしまいますね…(´Д`)

オスナに来てから2週間がたちました。
この2週間は本当に忙しかったです~
ドイツは朝早いので毎日早起きしなきゃいけなくて;

肝心の手続き関係なのですが、


・入国審査     →特に何も聞かれなかった
・住民登録     →大学がまとめてやってくれた
・銀行の口座開設 →大学がまとめてやってくれた
・ビザ申請     →大学がまとめてやってくれた

という、何の参考にもならない感じでアレなんですが。

一応、今後オスナブリュックに留学するという人が
いるかもしれないので覚書。


ファイル 16-1.jpg
賑やかしの写真。
オスナの町にあるメーターボックス?とかゴミ箱に落書きがしてあって
結構センスがいいw


●銀行の口座開設

学費の支払いや寮の家賃引き落としがあるので、
大学でまとめてドイツ銀行の口座を作らされました。
その時必要だったものはパスポートと連絡先
(電話番号か、まだ持ってなければメアドでもOKだった)だけ。
別室に通されてすごいテンションの高い親切なお兄さんが対応してくれたw
たくさん書類にサインさせられました…
口座番号だけとりあえず発行してもらって、
正式なキャッシュカードは一週間くらいで郵送で届くとのこと。
それまでは口座番号を見せて窓口で預入とかしてもらいます。

↑の例は大学でまとめてやってくれたので、
たぶんかなり緩いと思う。
ちなみにシュパーカッセで聞いたときは
・大学が発行した正式な学生証
・パスポート

が必要と言われました。
(入学許可証ではだめで、ちゃんと学生証を作ってからじゃないとダメと言われました)
話を聞いた限りでは留学生でも簡単に口座作れそうだし
窓口のおじさんも親切でした。

ちなみに私は日本でシティバンクの口座を持っていたのですが
ドイツでは今はシティバンクがタルゴバンクというのに変わっています。
シティバンクのカードは使えないらしいですが、
オスナにはあちこちにシュパーカッセがあって、
そこのATMからでも引き出せます。手数料はかかるけど。

私は引き出しや両替の手数料がもったいないので、
半年分の生活費を日本円の現金で持って行ったのですが、
オスナのような小さい町では日本円はどこでも両替できる
というわけではないらしく、
Neumarktにあるシュパーカッセの一番大きいビルに行くよう言われました。
口座を持ってない人は一度に30万円までしか両替できないそうで、
パスポートの提示と住所、両替手数料5ユーロが必要でした。
Neumarktにライゼバンクもあるけどそっちは手数料10ユーロ。


ファイル 16-2.jpg

長くてごめんね!


●住民登録・ビザ

これも大学でまとめてやってくれました。
一応自分でStadthausに行って問い合わせたんだけど、
大学でまとめてやるからその時に申請してくださいと言われました。
ネットで外国人課の人はたいてい感じ悪い、というのを見て
結構緊張しながら行ったんですが普通に親切な若いお姉さんでした。

●ビザ申請に必要なもの

・パスポートのコピー
・入学許可証のコピー
・ドイツの健康保険の証明のコピー
・最低三か月分の生活費の証明書
 (一か月700ユーロ弱×3か月分以上)
・パスポート用写真1枚

あと外国人課で配布してる申請の手引き?みたいなプリントでは
4セメスター以上滞在の場合は成績証明とか書いてあったけど
私は2セメスターの一年間留学なのでこれはよくわからん。

健康保険は、日本の大学で一年間の海外留学用の旅行保険に
入ることが義務付けられていたのでそれは入っていたのですが、
聞いたらドイツの保険じゃないとダメだとのこと。
保険の加入も大学でまとめてやってくれました。
一か月77ユーロ。
ちょっと高いな~と思ったけど一年トータルで見たらまあそんなもんかな…

また生活費の証明ですが、
私は大学の奨学金を1年分まとめてもらっているのですが
その振り込みがオスナに行くギリギリで、
英文で口座の残高証明をもらうのが間に合わなかったんですよ。
んでオスナについてからまだ一週間とかで、
ドイツ銀行の口座もまだ作ったばっかりで
(窓口開いてる時間が短いから振り込みもギリギリだったのよ!)
残高証明を手に入れる時間もなかったので、
とりあえず両替した生活費を窓口で預入してもらって、
その控えを出しました。特に何も言われなかった。
私の日本人の友達も毎月ごとに実家からの仕送りをもらっているらしく、
そんなに一度に口座にお金がないよ!ということで
特に何の書類も出さなかったみたいだけどこれでもOKだったらしいです。

ただこれはオスナについてまだ日が浅く、
大学でまとめてやったから緩かったと思います。
役所に出向いて自力で申請する場合は
3か月以内という猶予があるので、
早めに口座を作ってちゃんと口座にお金を入れて
残高証明を持って行ったほうがいいと思います。
カードがあれば銀行のATMで出せるらしいし。


ちなみにドイツの市役所は曜日にもよるけど、
午前中の8:00~12:00しか開いてないという鬼タイムなので注意!!(´Д`)

ファイル 16-3.jpg

オスナの大聖堂。

ファイル 16-4.jpg

大学。

ファイル 16-5.jpg

カタリーナ教会。
大学の校舎は学部ごとに街に点在していて、
美術史はこの教会のすぐ近くにあります。


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00:05 [Comment:0] [TB:0]

ミュンヘンなう~

03 29 *2011 | ■オスナブリュック留学::日常

ミュンヘンに到着しました。
本当はルフトハンザでフランクフルト経由だったんですが
例の放射能騒ぎで成田便が一時休止になってしまい、
いろいろ予定が二転三転して
結局ANAとの共同運航便でミュンヘン乗り継ぎになりました。
最初は関空か中部国際空港まで行かなきゃいけないという
話だったんですがまあ成田からこれてよかった。

ANAのチェックインカウンターで乗り継ぎの航空券もらった時
お姉さんに「ミュンスター空港なんてあるんですね!初めて聞きました」と言われた…(笑)
私も今回初めて知りましたよw普通使わないもんねえ。

しかしフライトの予定がいろいろ変った関係で
乗り継ぎにすごい時間が空いてしまい、
4時間半空港で待つことに(´Д`)
オフシーズンだからか空港が閑散としててちょっと薄らさびしい感じです。

入国審査と、オスナに着くのが深夜になってしまうのがちょっと不安だったり。

ああー緊張するー。

01:07 [Comment:0] [TB:0]

地震…

03 22 *2011 | ■雑多

いや~地震から10日も経ってしまった…

幸い我が家は埋立地の割に
特に支障はなかったのです、が。

またパソコンが壊れました。つД`)・゚・。・゚゚・*:.。


も~~~~こないだデスクトップのXPが壊れたばっかりなの二~~~!!!!。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウァァァン
XPさんはもうだいぶご老体だったので覚悟はしてたんですが、
ノーパソは1年前に買ったばっかりなのに!!!!!!!!!

地震とは関係ないと思いますが、地震後普通に使っていたのに、
次の日使おうとして電源を入れようとしたら……入らない。
最初ACアダプタの故障かと思って
(前回の外付けHDがケーブルの不具合だったので)
取り替えてみたんですが、通電もしないんです。

さすがにおかしいと思って修理屋さんに持ち込んだら、
基盤がイっちゃってるんで、買ったほうが早いです。だと(゜д゜)

えっこれまだ1年しか使ってないんですけど…

修理しようとすればできないことはないけど、
中古で同じPCを手に入れて基盤の交換…になってしまうので、
そこまでするなら新しいの買ったほうがいいですよ、とのこと…

しょうがないからビックカメラに駆け込んできましたよ…
新しくVAIOユーザーになりました!
ほんとはショッキングピンクが欲しかったんだけど
急な出費のためお財布と相談して安めのもので、
ベビーピンクに妥協しました。
まあこれはこれで可愛い(*´∀`)

95の時代からずっとN●Cユーザーで、
惰性でずっとNEC使ってたのですが
正直ノートは使いづらかったな…
分厚いしキーボードが打ちづらくて。
なによりデザインがあんまり可愛くなかった…
VAIOはデザインも気に入ってるしCPUも4Gになったので
結果的にはまあよかったかな…余計な出費だったけどさ(´ι _` )

それにしても保証期間が切れたとたんにいきなり壊れるとはどういうことだ。


にぎやかしの写真。

ファイル 14-1.jpg

ファイル 14-2.jpg

ダブルあんもにゃいと。
よくシンクロしてます

ファイル 14-3.jpg
なにみとんねん

05:09 [Comment:0] [TB:0]

航空券・保険手配

02 23 *2011 | ■オスナブリュック留学::手続きなど

ようやく航空券を手配しました~。遅っ!
オスナブリュックの近くには実は
ミュンスター・オスナブリュックという空港がありまして、
国内便で乗り継ぎなので初のルフトハンザです!YATTA!
実は欧州系ってイギリスのヴァージンしか乗ったことないんです。

寮の管理人さんに問い合わせなきゃいけないんだけど、
とりあえず先に出発日決めちゃいました。

どうせオスナでトマスとホテルに泊まることになりそうなので、
あとは向こうの都合にあわせて入居日を決めよう。
トマスはスイス人なので、彼の方がドイツ語できるから
何かあったら頼ろうという魂胆である。

航空券は思ったより安かったんだけど、
一年分の保険料が結構かかってプラマイゼロかなあ…( ´Д`)

しかしいざ行く日が決まったら、
色々書類の提出とかやらなきゃならないことが
増えてきましたぞ。
ビザ申請の準備もしなきゃ。

ファイル 12-1.jpg

先日のバレンタインは、東京は大雪でしたね。
ホワイトバレンタイン♪ロマンチック♪
なんて言ってられないほどの吹雪と、
地面のぬかるみでひどいことになっていました…

深夜に帰ったら、積もったばかりの真っ白な雪に創作意欲を刺激され、
マンションの中庭に一人で雪だるまつくってましたw

ファイル 12-2.jpg

目鼻のパーツはわざわざ部屋で自作して挑みましたw


ファイル 12-3.jpg

見せた人にはおおむね好評で満足(*´∀`)
こいつ馬鹿だなって言われたくてやりました。

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01:12 [Comment:0] [TB:0]

国立新美術館 シュルレアリスム展

02 21 *2011 | ■ミュージアム::日本

六本木の新国立美術館で開催されている、
シュルレアリスム展に行ってきました。

今回一番ツボったのがこの作品。

ファイル 11-1.jpg

マックス・エルンストの「ユビュ皇帝」。
調べたらフランスの不条理劇が元ネタらしいです。

これ、MOTHER2のダンジョン男に似てる…!

ポストカード買いました。
部屋に飾ろう~( ´∀`)

あと最初に飾ってあったマン・レイの「埃の培養」。

ファイル 11-3.jpg

ガラスの上に積もった埃を映しただけの写真なのですが、
私の大好きな作家、群ようこさんがエッセイの中で、
毎日掃除をしても埃はたまるので、
放っておいて埃の自主性に任せておき、
埃がまとまって大きくなってきたときに一気に掃除する

と書いていたのを思い出して笑ってしまいましたw
「埃の培養」とか、「埃の自主性に任せる」とかその表現がおかしくてw
これからは埃がたまっていても、
「今ほこりの培養中なんです」と思っておけばOK。


あとはやっぱり、シュルレアリストではキリコが一番好きかな~。
エルンストもいいけど。
キリコの絵って、石膏像とか荒野の中の建物とか、
それ自体は別にグロテスクでもなんでもない
ありふれたものを組み合わせた単純な構図なのに、
見るとものすごい不安になるというか、不気味な印象を受けるんです。
あえて脈絡のないモチーフを組み合わせることで
人の無意識に働きかけるというシュルレアリスム芸術の理念を
とても端的に表わしていて、成功した画家だと思うのです。

直接的に血や死体とかを描いてるわけでもなく、
ありふれたモチーフを組み合わせることで
人の最も根源的な感情である「恐怖」を引き出すって
すごい事だと思いませんか?
私は怖がりなのであまり見ないんですが、
ジャパニーズホラー映画とかもすごいと思う。
なんかこう、人間が生理的に「気持ち悪い」って感じるものを
上手く使って精神にじわじわくる感じが…


日本の美術館の展示は基本的に写真に撮れないのが残念ですが、
今回のシュルレアリスム展はなかなか凝ったディスプレイがあって
面白かったです。
最後のミュージアムショップの中に、
小さな蜘蛛がたかっている鏡(これは苦手な人にはきついかもだけどw)
ロブスターの石膏像?のようなものが置いてあったのが印象的でした。
ロンドンのテート・モダンに置いてあるダリ作のエビ電

ファイル 11-2.jpg

を思い出しましたw


技法の解説などはほとんどなく、
『シュルレアリスム宣言』の中からキーワードとなる部分を抜粋して
フランス語の原文と日本語訳で展示してあったのですが、
ほんっとまわりくどくてわかりづらいもってまわったような文章で、
THE・フランス語!って感じ(笑)
表現が複雑で遠まわしすぎて
日本語に訳しても意味わかんねーよ、みたいなw

フランス語って英語に比べて語彙が少なく、
その代わりに一つの単語に複数の意味を持つ
多義的て示唆的な言語なので、そう考えると
象徴主義やシュルレアリスムがフランス語圏で興ったのは
なるべくしてなったというか、
ドイツ語や英語ではこういう感覚ってあんまりない気がするなー。
ある意味、フランス語それ自体が象徴主義なので、外国語に訳すのは大変そうだ。


展示自体はちょっと量が多くて疲れちゃうって感じかなー。
あと映像作品を部屋の中の、隣接してる二枚の壁に
同時に複数映してたんだけど、
展示としてはおもしろいけどちょっと見づらかった。

でも二度の世界大戦の経験から、
それまで神に代わって信仰されていた人間の「理性」を疑い、無意識の中に
目に見える現実以上の本当の現実、超事実を求める、シュルレアリスムという
当時の時代性みたいなものをすごく感じました。
やっぱり時代の大きな転換期の芸術って面白いよね。

きっと今の時代も、最中にいる私たちにはカオスに見えるけど、
50年後、100年後に歴史として俯瞰したら
何か大きな流れを読むことができるんでしょうね。
それがどういう評価になるのかがとっても興味があります。
現在、間違いなく大きく時代が変化する時期に来ていると思うので。


それにしても、反芸術を標榜したダダイストの作品が
こうして「芸術」として美術館に展示されて、
みんなが神妙な顔をして鑑賞しているのは
なんだか皮肉と言うか、それ自体がシュールな感じがしました。

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11:19 [Comment:0] [TB:0]

国立科学博物館・地球館編

02 19 *2011 | ■ミュージアム::日本

前回に引き続き国立科学博物館です。
今回は地球館。
地球館では地球上に住む生物全般を扱っています。


ファイル 9-4.jpg
ジュラシックパーク!

ファイル 9-1.jpg
絶滅の危機にひんしている動物の展示。
残念ながら名前を失念してしまいましたが
この手のぽてぽて感、たまらぬ……

ファイル 9-2.jpg
オオカミさんスマイル。
ここでは大型動物の剥製が大量に展示されているのですが、
どれも表情やしぐさに味があってとても面白いです。
陸上の生物でもびっくりするくらいでかい牛とか馬とかがいて、
パンダや虎が小さく見えたな~


面白かったのが、
「熱帯雨林の一本の木には、一体何匹の虫が生息しているか?」という展示。
単に数や種類を書きだすのではなく、
なんと実際に一本の木から採取された大小さまざまな虫を
パネル一面にびっっっっしり並べて展示しているんです。
ただ言葉で説明するよりも、
どれだけ多くの生物の住処となっているかということが
一目で理解できるようになっています。

基本的に、ここの博物館にはあまり説明がありません。
単に文字で知識を教え込むのではなく、
様々な展示方法で五感を刺激し、
興味を持ってくれた人が帰ってから自分で調べてもらえるよう
工夫していると感じました。

ファイル 9-3.jpg
もちろん太古の生物の化石類も充実。
三葉虫カッコイイ!!!!


ファイル 9-5.jpg
巨大な展示は上空に。
こうすることで省スペースになると同時に
360度使ったダイナミックな展示となっています。


また地球館には、分類学上の生物全ての標本を並べている
コーナーがあるのですが、
そこの哺乳類のとなりに、「人類」と書かれた標本があり、
空になっています。
実はこれには仕掛けがあり、その空の標本箱は鏡になっていて、
覗きこんだ自分の姿が映るという仕組み。
これらの生物や、博物館の展示品全てが、
他者ではなく自分たちと関わり合っていて、
私たち人間も地球の生態系の一部なんだというメッセージが
伝わってくるようでした。

また科博の展示を見ていて感じたのが、
キャプションには基本的に
「幼児向け」易しい言葉で、ヒントを与える
「中学生程度向け」大まかな展示の趣旨を説明・問題提起
「大人向け」細かい資料の解説・学術用語もあり
三つの種類があるようでした。
このなかで特に真ん中の、中学生くらい向けのキャプションは
問いをなげかけつつも、明確な答えは出していない、という事に気付きました。

現代の科学技術の展示コーナーの導入部のキャプションを引用します。
21世紀、これからの科学技術に求められるもの
かつて人類はそれぞれの地で、自然との共生を
巧みに図る知恵と技と高めた。
それらはやがて風土を越えて交わり体系化され、
普遍性を持つ科学技術となって、今日、
豊かで便利な生活を支えている。
他方で地球環境を脅かすものになりうるなど、
科学技術の負の側面も明らかになった。

21世紀の科学技術には何が求められているのか。
未来を展望するカギは、これまでの歩みの中に隠されているかもしれない。

このように、「科学技術には負の側面もある」といいながら、
それが具体的にどのことを指すのかは明言していません。
今後の展望も、答えは示さず、
展示を見て自分で考えてほしい、という博物館側の意図が見えます。


ここ数十年で、博物館や美術館の在り方は大きく変わりました。
それまでの、研究者や学芸員が知識を与え、それを学ぶ、という展示から
観る者の興味を引き出し、共に考える展示に移行しつつあります。
そのことが、この国立科学博物館の展示では非常に明確に感じられました。


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03:30 [Comment:0] [TB:0]

国立科学博物館・日本館編

02 16 *2011 | ■ミュージアム::日本

先週、レポートの為に上野の国立科学博物館に行ってきました。
実は保育園の卒業遠足で行ったっきりなので、
なんとおよそ20年ぶり。
その時の記憶はクマの剥製があったな~とか
ミイラがあったような…???的なおぼろげなものしかないので
その頃とはだいぶ展示内容も変わってるだろうし、
楽しみにしていました。

無駄に写真をたくさん撮ってきてしまったので
日本館と地球館に分けて書きます。
(画像をたくさん入れてレポートの内容の薄さを
ごまかそうという魂胆である)


まず、一番驚いたのが展示デザインの凝りっぷりでした。
博物館て、資料がひたすらだーーーーっと並べてあって
それにキャプションや説明がついてる、というイメージだったんですが
それはもう古い!!!!!!!

まず、一番最初に目に入ったのが日本国内でも地域によって
同じ動物や植物の大きさや形に違いがある、という展示です。

ファイル 8-1.jpg
ツバキの比較。

ファイル 8-2.jpg
コガネムシの比較。

すごくないですか?!このセンスの良さ!!!!
比較展示だと、普通はひとつの個体同士を比べるところを
あえて同じものをたくさん並べることで
リズムを生み出し、美しい展示になっています。
もしこれが一個だけぽん、と置いてあったら、
すごく単調でつまらない展示になっていたと思います。

ファイル 8-3.jpg
こちらは日本各地でとれる石材の展示。
日本地図がそのまま各地方でとれる石材でできていて、
どの地方でどのような石がとれるかの分布と、
それぞれの石の特徴の違いが一目でわかる画期的な展示です。

ファイル 8-4.jpg
金魚の品種改良の系統展示。
写真では見づらいですが、背景には江戸時代の浮世絵で
金魚を愛でる市民の絵が映されています。
これによって、単なる金魚の展示だけでなく、
金魚がどのように我々日本人に親しまれてきたか、
歴史の中でどのような意味を持っていたかを同時に感じることができます。


また他にも、日本に住んでいる動物の剥製がたくさん展示してあったのですが、
陸上の動物のディスプレイの下に、
土と地中が展示されていて、
私たちの目に見えている地上の世界と、
普段意識しない地中の世界、土壌や虫、菌類などとが
繋がり合って自然界が形成されていることがとてもよくわかる
展示となっています。

このように、単なる資料の展示だけでなく、
私たち人間を含めたそれを取り巻く環境や、
私たちの生活の中でどのようにかかわっているのかなど
多面的に感じることができる工夫がなされてました。

個人的にオオサンショウウオの剥製がでかくてびびった…w

ファイル 8-5.jpg

ハチ公(手前の白っぽい秋田犬)、
南極物語で知られるジロ(右奥の樺太犬)、
甲斐犬(左奥)の剥製。

正直私はジロやハチ公なんかは、
彼らの切ない物語を知った後だと
もう死んだあとはゆっくり土に還してあげてくれー!
なんて思ってしまうのですが
それも人間の勝手なエゴですよね。
他の無名の動物たちの剥製とどう違うのか、
といわれたら本質的な違いは多分なくて、
単なる人間の感傷による思いこみだし。


ちなみに女性のミイラはちゃんと展示してありましたが
(私が幼いころに見たものと同じものなのかは不明…)
写真撮影はNGでした。
展示品とはいえ、我々と同じ、一人の人間の遺体として
敬意を払うため、との説明がありました。

ミイラは博物館の中ではとても人気のある展示です。
(この科博でも、よく質問される人気のある展示品ベスト30という
パンフレットを発行していますが、その中にももちろん
このミイラが入ってます)

しかし一方で、人間の遺体を見世物にすることについては
様々な問題をはらんでいます。
それをふまえたうえで、数百年前の女性の遺体が
奇跡的に残っていること、その資料が今の私たちに何を伝えているのかを
考えてほしい、それが博物館からのメッセージでした。


(地球館編へつづく)

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14:52 [Comment:0] [TB:0]

東大の遺跡発掘現場

02 08 *2011 | ■美術史::日本

ニコル先生と東大の発掘現場見学に行ってきました。
東大では、新しい建物を建てる際にその敷地の下を発掘調査するんだそうで、
埋蔵文化財研究室が発掘を行っています。
今回は研究室の堀内秀樹助教授にご協力いただいて
実際の発掘現場の様子を見学させていただきました。


相変わらずニコル先生の土器萌えトーク、すごいです。
彼女は本当に日本人以上に日本を愛している……

ファイル 7-1.jpg

東大の、生物学研究室の隣にある明治天皇の遺跡。
なんとこれ、明治天皇のトイレなんだそうですw
(当然、隣に置かれている説明書きにはそんなこと書いてませんでしたw)
明治天皇は様式のトイレしか使わず、
この設備もかなりモダンなものだったそうです。

発掘現場~

弥生門の方にある発掘現場。
外から見ると単なる工事現場にしか見えないのですが、
中に入ると大勢の研究員の方々が作業してらっしゃいました。


ファイル 7-2.jpg
このレンガ造りの建物は、
関東大震災で倒壊してしまった旧帝国大学の建物の基礎だそうです。

ファイル 7-3.jpg

こちらは江戸時代の、加賀藩の敷地内の長屋にあった
ゴミ捨て場の跡だそうです。
よく見ると貝殻や陶器の破片などが地層になってるのがわかります。
小学校のころ社会科で教わった関東ローム層の土を
実際に触らせていただいたのですが、
火山灰でできてるだけあって、粘土のような
ねっとりした粒子の細かい土でした。
酸性土なので人骨や木といったものは溶けてしまい
この地層からは見つけることが出来ないんだそうです。


ファイル 7-4.jpg

ちなみにこの長屋は参勤交代の際に
加賀藩の中でも比較的身分の低いお侍さんたちが
江戸に単身赴任で連れてこられて入れられるタコ部屋だったらしく、
宴会ばっかりしていたみたいでお酒のとっくりや貝殻や魚の骨、
ばくちに使ったお椀やサイコロ、古銭などが大量に出土していました。

江戸と言うと清潔でエコな都市だった、と思われているけど
これだけ壊れてもいない食器が大量に捨てられているのを見ると、
結構みんな適当に捨てていたんじゃないか、と堀内先生w

最後に、今回大変お世話になったニコル先生に
一同からおススメ漫画のプレゼントw
私たちからは『オッス!トン子ちゃん』を贈呈。

ニコル先生は本当に日本の漫画が大好きで、
実は例の大英博物館日本文化展示室に
『聖★お兄さん』を展示
した当人でもあります。
(本人にネットで話題になってましたよ!と教えたらびっくりしてましたw)
みんなからのプレゼント、めちゃくちゃ喜んでもらえました。


■おまけ

ファイル 7-5.jpg

佐倉の歴史民俗博物館で買った遮光土器キューピー。
おかんに「あんたのでかい尻、遮光器土偶みたい」と言われて
つい買ってしまったものですが
ニコル先生に見せたらバカウケでしたw

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18:29 [Comment:0] [TB:0]

カンディンスキーと青騎士展・三菱一号館美術館

02 07 *2011 | ■ミュージアム::日本

三菱一号館美術館で行われた
カンディンスキーと青騎士展に行ってきました。
また会期終了ギリギリになってから行くのが悪い癖なんですが…
今回は己の専門範囲でもあるので気合いれて行ってきました!!!

ミュンヘンは去年の9月に行ったのですが、
レンバッハハウスは改装中で入れなかったんですね。
隣のケーニヒスプラッツ駅の地下構内にある
Kunstbauという分館でやってた表現主義展だけ見てきました。
実はメインとなっているカンディンスキーは
それほど好きではないんですが、マルクやクレーが好きなんです。

で、今回特に下調べもせずにのこのこ丸の内まで行ったんですが。

今回はメインではないはずの、
レンバッハやシュトゥックが思いのほかよかった!

特にレンバッハの自画像とビスマルクの肖像画がすごくよかった……!!!!

ファイル 6-1.jpg

すごくないですか?この鬼気迫る目力!!!!!
ビスマルクの肖像画も、上半身以外は
ほとんど塗られていない未完成みたいな絵なんだけど、
なんだかずっと見ていたくなる不思議なパワーがありました。
これがアウラか…!!!!!と…!!!
レンバッハは当時すでに肖像画で高名だったらしいけど、
これは描いてもらいたくなるわ~。

ファイル 6-2.jpg
ファイル 6-3.jpg

カンディンスキーと共に青騎士を支えたフランツ・マルクの絵。
この人は動物の絵をたくさん描いていて、
幾何学的にデフォルメしているんだけど
動物の形を的確に捉えていて大好きです。
特にこの黄色い牛、よく見ると微笑んでて可愛い。
新婚ほやほやでハッピーな時に描いたらしい。


あとカンディンスキーの恋人のミュンターの肖像画もよかった。
カンディンスキーを描いた絵は
なんかほんとに彼の事好きだったんだな~って
感じが伝わってくるほんわかした絵でした。

カンディンスキーや青騎士のメンバーの
写真も展示されていました。
個人的にこの展示方法が、額縁などを使わず
写真をはさんだガラスを直接壁に止めてて
解放感があっていいなと思いました。
どうしても写真とか、小さい画面をこまこま額縁に区切って並べると
単調で退屈な感じになってしまいがちなので、
これは上手いディスプレイだなと思います。
でも写真の中でにこにこ笑っている彼らが
数年後に戦争で命を落としてしまうのかと思うと
ちょっと切なくなったり……

ドイツ表現主義って日本で人気あるんかいな?と疑問に思ってたんだけど
最終日ということもあってか、結構なにぎわいでした。


***おまけ

三菱一号館は今回初めて行ったのですが
建物自体がとてもよかったです。
中庭もヨーロッパの街中のようなおしゃれな雰囲気で
鑑賞に疲れたらゆっくりお茶でも。
いい作品はパワーがあるのでやっぱり展覧会いっこみるとかなり疲れますよね。

ファイル 6-4.jpg

美術館でてすぐにあるワインカフェからぱちり。

ファイル 6-5.jpg

ワインは飲まなかったんだけど、
壁全面がセラー!!!かっこいい!!!!


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04:41 [Comment:0] [TB:0]

三代徳田八十吉回顧展 そごう美術館

02 05 *2011 | ■ミュージアム::日本

そごう美術館の「三代徳田八十吉 回顧展」に行ってきました。


というのも、現在集中講義で
大英博物館で日本文化担当学芸員の
ニコラ・ルマニエール先生の授業をとってまして、
先生が今回の展覧会で英訳担当をされていたので
その関係で美術史のゼミメンバーと共に一緒に
見学させていただきました。

横浜のそごうデパートの中にある展示室で、
このたびめて行ったのですが、
となりにあるカフェで今回の九谷焼展とコラボして
食器に九谷焼を使ったケーキセットがありました!!(*´∀`)

今回の展覧会を企画された朝日新聞社の文化事業部の方々と、
先生を囲んでみんなでお茶会してきました。

ファイル 5-1.jpg

見えますか?
手前がえびで、奥がカニ柄!!
可愛い~~~!!!と一同大興奮wwww

ファイル 5-2.jpg

私のお皿はシンプルで可愛らしいお皿でした

ファイル 5-3.jpg

深紅のチェリータルトに九谷焼らしい色遣いが映えてます

展覧会はもうすご~~~~~~~~~くよかったです!!!
実は私はそれほど焼き物に詳しくなかったのですが、
三代八十吉さんの作品はもう、
焼き物と思えないほど本当に色が綺麗で……
九谷焼伝統の5色の中から青・紫・緑・黄を使っているのですが
それらの色が溶け合って、オーロラとか宇宙のような感じでした。
表面のガラス質の中にひびのような模様が出るのですが、
それがモザイクや宝石のようにキラキラしていて、
みていると引きこまれそうになるし、何時間見ていても飽きないです。

釉薬を調合して色を作っていくのですが、
私はてっきりデザイン通りに絵付けして作品ができるのかと思っていたら
焼く時間を延ばすことで釉薬が溶けて偶然の模様を作りだすんだそうです。
三代目八十吉さんはそれを「神が、炎が作ってくれた」と言っていましたが、
こんな美しい色を作れる八十吉さんあなたが神か……!!!!って感じでしたよ。

あと個人的な興味ですが、
展示の中に八十吉さんのインタビュー映像があったんですが、
お祖父さんの初代八十吉さんの着物の着こなしが
しゃきっとしていてものすごく粋でかっこよかったです。
白黒写真でぼけてるんだけど、あの時代の方たちは
本当に着物が肌の一部のように馴染んでて…

本当に観に行ってよかった!


ミュージアムショップも充実していて、

特に猫の図柄のハガキやグッズが多くてついつい買ってしまいました。
ついでに朝日新聞社が主催のミッフィー生誕55周年記念展の
図版を衝動買いしてしまいました。

ファイル 5-4.jpg

版型がミッフィーの絵本と同じ正方形で、
装丁がものすごく可愛い!

ファイル 5-5.jpg

小口も黄色で染められてて本当に可愛いです~
裏と表のこの絵柄のバランスも最高!
ミッフィーが万引きする話とか、
原語のオランダ語では文章も韻を踏んでいるとか
そーだったんだ!って話が多くて、
図版も豊富だしこれも買ってよかった~
最近歳のせいか、ミッフィーがお父さんと動物園や海に行く話を読むだけで
なんだかじーんとして泣けてしまうw

オスナブリュックはオランダに近いので、
ユトレヒトは留学中に絶対に行こうと思います。


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